80年代、90年代前半は、ワープロソフトといえば一太郎か松という時代でした。
それがWindowsとともにやってきたWordがあっという間に主流になり、
もっともメジャーなワープロソフトになってしまいました。
MS-DOSからWindowsへの移行期と同時に逆転現象が起きたということでは、
一太郎のWindowsへの対応の遅さが挙げられます。
一太郎の発売元のJustsystemは、Windowsが実用化するのはまだ後と判断し、
JustWindowを開発し、Windows版を先送りしました。
しかし、意外と早くWindowsが実用化し普及したため、遅れてWindows版の
リリースとなりました。
Windows3.0が1990年5月、Windows3.1が発売された1993年の年末に
一太郎Ver.5のWindows版が登場。
このころ、Word&Excelのプリインストールモデルが大量に売られていました。
Excelは、文句なしにすばらしいソフトで、同じ会社のWordだったら、
安心して使えそうなイメージもありました。
遅れて、一太郎もLotus1-2-3と組み合わせてプレインストールモデルを
出しましたが、すでにシェアは逆転してしまっています。
海外から送られてくるファイルがWordで、大企業から中小企業へ
ドミノ倒し的にWordが使われるようになったともいわれています。
また、日本人は横文字に弱いので、純日本語名の一太郎より、
かっこよく見えたかもしれません。
(秀丸というエディタが普及しなかった理由に似ているかも)
広告のイメージ戦略も勝利を導いたのかもしれません。
雑誌の取り上げられ方も変わってきましたし。
1995年秋、Windows95の登場と同時にWordとExcelをリリース。
32ビットのWindows95対応版の一太郎7がリリースしたのは、次の年の秋。
しかも、不安定で機能ダウンとなり、さらに一太郎離れが進んでしまいました。
書店でも一太郎関連書籍はどんどんスペースを狭くしていき、
今では、ジャストシステム以外からは新書は皆無な状態です。
しかし、それでもジャストシステムはがんばっていますね。
毎年2月に新しいバージョンが登場しています。
ATOK目当てとも言われながらも、一太郎と花子のセットは、
それなりに売れているようです。
やはり、罫線の処理は、「線を引く」という感覚が自然なのでしょう。
どんな複雑な表でも、複雑な思考なしで、誰にでも処理できるというのは、
大きな利点です。
Windowsへの対応の遅さの反省からか、Linux版は積極的とまでは言えませんが、
視野に入れて開発を進めているようです。Linux版の一太郎をリリースするようです。
将来的には、ネイティブなLinux版の一太郎のリリースも予定しているようです。
良いものが生き残るということがないのが、この世界。
果たして、いつまでマイクロソフト王国は続くのか・・・。
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