コンピュータの歴史は、人が作り出す歴史

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ハードウェアでもソフトウェアでも、コンピュータの進化は驚くものがあります。しかし、忘れてはならないのは、これらがすべて人が作り出しているという当たり前の事実。しかも、それなりの規模の企業や団体に優秀な技術者が集まれば、自然に進化が起きるわけでもなく、ひらめきや思いつきをどうやって具現化していくかという発想力が重要なのだと思う。

マイクロソフトのビル・ゲイツやアップルのスティーブ・ジョブズ、日本では一太郎で有名なジャストシステムの浮川和宣とコンピュータの世界では、企業名と同じくらい人名があちらこちらに登場します。誰かの発想で作られたものがコンピュータの歴史に刻まれていくのです。コンピュータを使うユーザーは、こういう人たちが作り出す世界に一緒に流れているだけのような気がします。

いろいろなバージョンアップもユーザーが求めているものではなく、開発者の視点からおこなわれます。ユーザーは安定して軽快に動いてくれればいいはずなのに、いろいろなエフェクトが加えられたり、使いそうにもない新機能を満載にして高いバージョンアップ料を取られます。それは便利さのためにお金を出して買うのではなく、開発者たちが未来の夢を実現するための資金という気がします。さらには、今、ハードウェアもソフトウェアも『熟成期』と言われますが、新しいものを作らないと収入がないという現実的な問題より、世界を驚かすような新しいものを模索するのだと思います。世界中のすべてのコンピュータ使用者が有償ベータ版テストユーザーなのかもしれません。

未来の夢を現実化するために、様々な努力をしますが、中には失敗に終わるものもあります。ある日突然開発停止とか、企業買収した結果消えていったソフトウェアやサービスとか...。先日、egwordなどを発売していたエルゴソフトが撤退しましたが、経営状態の陰で人の動きがあるのも興味深いものがあります。

もしも誰もが目指すコンピュータの目標点が一つであっても、誰もが曲がりくねった回り道をしているはずです。誰も目標点への近道を知らないからです。さらに目標点は予想する人によって違うので、開発している人たちが向いている目というのは、全然違う方向を見ているわけです。新製品を見て、「どうしてそっちの方向に行くのかなぁ?」と思ったことがあるでしょう。きっと何か未来を見つめているのでしょうが、それらが一般ユーザーが理解不能ということもあります。

なぜマック版一太郎は登場しないのか、なぜオフィスのファイル形式は変わってしまったのか、なぜMacBookAirはFirewireをサポートしなくなったのか...。庶民派ユーザーの疑問はこんなものです。すべてはエクセルのゴールシークのように計算で解が求められるものではなく、人の思いが左右しているものなのでしょう。

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