実は紛らわしい英語キーボード

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日本語キーボードと英語キーボード

日本語キーボードというのは、国内で普通に売っているJISキーボードのことを指します。キーに「あいうえお」のひらがなが刻印されているものです。エンターキーも大きな逆L字型のキーが用意されています。しかし、当然ながら英字も刻印されているので、英語を入力することもできます。別に日本語入力専用のキーボードというわけではありません。

そして、英語キーボードはアメリカなどで使われているキーボードで、ひらがなの刻印がなく、エンターキーは横長の長方形です。こちらも英語の入力はもちろんですが、ローマ字入力での日本語入力もできます。確かに、かな入力は不可能に近いので、英語キーボードというほうが一般的にはわかりやすくいいかもしれません。

メーカーも「日本語」「英語」という表記で区別してラインナップされています。しかし、実際には「JIS配列」「US配列」と呼ぶのが正確です。JIS配列は日本工業規格に基づいたキー配列で、US配列はアメリカで標準的に使われているキー配列だからです。

実は、US配列と呼んでいるように、アメリカで使われる配列なので、イギリスにはUK配列というものがあります。アップルの日本のサイトでのキーボードは、日本語以外にも選択肢があり、英語(UK)と英語(US)、中国語が2種類、そして韓国語が用意されています。2種類ある英語配列のうち、誤ってUK配列を購入してしまい、「思ったものと違う」ものが届くという失敗をする人もいるそうです。

世界のキーボードの種類

世界で使われているキーボードは、大きく3つに分けられるようです。ANSI、ISO、JISの3種類です。

How to identify your Apple keyboard layout by country or region - Apple Support

ANSI(米国規格協会)規格
米国標準のUS配列で、横長のエンターキーが特徴です。この配列は、アメリカ英語キーボードをベースに、中国語、韓国語、タイ語など、アジアの多くの言語配列にも採用されています。インドやオーストラリア、カナダもANSIが使われているようです。

ISO(国際標準化機構)規格
ヨーロッパで広く使用される配列です。逆L字型のエンターキーを採用し、イギリス英語をはじめ、フランス語、ドイツ語、ロシア語、アラビア語など、多くのヨーロッパ言語のキーボードの基準となっています。特殊文字の配置は、基本的にANSI規格と大きな違いはありません。

JIS(日本産業規格)規格
ISO配列をベースに、日本語入力に必要な機能を追加した拡張配列です。外観はISO配列に類似していますが、日本語特有の要件に対応するため、一部の特殊文字の配置が異なります。(※2019年に「日本工業規格」から「日本産業規格」に改称されました。)

国や言語によって設計を変えるとコストがかかるので、ANSIかISOをベースに、キーの刻印に工夫を加えて製造されるようです。世界でも日本だけの特殊な配列は、黎明期にコンピュータが普及し始めた時期に、日本語入力の必要性から独自の進化を遂げたためと考えられます。ANSIではなく、ISOをベースにしたのも興味深いですね。

1979年発売のPC-8001では、すでに今のJIS同様に、2のシフトがダブルクオートで、89の上にカッコとなっています。

【参考サイト】
ASCII キーボードとANSI キーボード(それからJISキーボード)|kzn

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